「アウディオペーデ」は直訳すれば「聴く器官の養成」といえるでしょう。
この命名は、私の師であり共働者でもあるドイツのヴィッテン教員養成所の音楽講師であるラインヒルド・ブラス先生です。

先生との出会いは、私が東京シュタイナーシューレ(現在、藤野シュタイナー学園)の音楽教師になった年でした。日本で最初のシュタイナー教育の音楽教師となった私にとって、先生の存在は大きな支えとなりました。その後20年の年月を経て、ブラス先生も私もこの「聴く器官の養成」という課題にたどりつきました。

現代では、私たちの聴く耳は非常に鈍感になっています。特に音楽にかかわる人々にとって「耳を傾ける」(内なる響きに耳を傾ける)ことは大切です。内なる響きに耳を傾けるとは、聞こえないものを聴けるようにすることであり、それはまさしくアウディオペーデの目的である「私たちの心の耳を養成する」ことに他なりません。

2001年1月,日本アントロポゾフィー協会朗唱・音楽芸術部門、ドイツのヴィッテン教員養成所との共同で、最初の養成が始まりました。当研修センターでは、シュタイナー教育における音楽教師および、療法的音楽教育者の養成とともに、子どものためのシュタイナー音楽教育、音楽療法(個人)も行っています。これらの活動を通してさまざまな人が出会い、それぞれが個々の自分自身を新たに発見する場になりますよう願っています。


竹田喜代子 プロフィール   Kiyoko Takeda Profile

シュタイナーの音楽教育家・音楽療法士。
40年にわたり子供の音楽教育に携わる。
1979年からシュタイナーの音楽教育を学ぶ。
同協会主催の教員養成講座、音楽講師。
元東京シュタイナーシューレ音楽専科。
教師(12年間)
1989年より、主に自閉症児の音楽療法を実践。
2001年より、ヴィッテン教員養成所と提携し、
日本人のための療法的音楽教育者養成を行っている。
1987年ゲーテアヌム普遍アントロポゾフィー協会会員、
1992年より精神科学自由大学会員となる。
日本音楽療法学会会員。
その他NHK、カルチャーセンター等
全国で講演活動を行っている。

月曜と金曜の10:00-17:00の間にご連絡いただくとスムーズです